きんつぎでは地域に関わる多くのプロジェクトの運営を行なっています。

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Project

Architect

中渡瀬拡司

Client

個人

location

名古屋市名東区

structure

木造

area

150㎡

web

土地を地域とシェアする住宅

使い方

クライアントは暮らしに対するイメージがはっきりしており、「キッチンの位置関係はこう、この器具を使いたい、あんな窓がほしい、その材料はNG」と、要望や条件も具体的なものでした。また、この建築を建てる前に住まれていた住居は同じ場所にいなくとも、家族の気配が感じられる空間となっていました。

また、クライアントには、お子さんがいらっしゃた事もあり、将来、お子さんが家族をつくって戻り、親世帯のクライアントと2世帯で住むことの可能性を考える必要がありました。

シェア

1家族だけで住まうにはもったいない敷地の広さと、街の様相を考え、どのように敷地を街と共有するかを考えました。

そこで、敷地周辺に集合住宅が増え続けていること、1家族に対して2台以上の自家用車の所有をする家庭が多い、名古屋市の車中心の交通事情を考え、「賃貸駐車場併用住宅」の形式を考えました。

RC造のラーメン構造によって一層分上げた高さに人口地盤面を形成し、1階をピロティ形式の駐車場とし、RCの人工地盤上に2層の木造住宅を積み、周囲に緑を植える賃貸駐車場併用住宅としました。

・駐車場を介して街と空間を共有すること

・街と緑を共有すること

・家族での居場所を長い時間の中で共有していくこと

上記のような「シェア(共有)」することがつくり出だす繋がりの連鎖を考え、住宅を計画しました。

システム

1階はRC造、2、3階は木造の駐車場併用住宅を採用しました。

RC造のラーメン構造とし、1層分上げた高さに120㎡ほどの地盤面を形成します。ピロティ形式の1階部分は駐車場とし、RC地盤上に2層の木造住宅を積み、周囲に緑を植える、という駐車場併用住宅を計画しました。住宅部分を1層分の高さを上げることで、光・風・景色を取り込みやすく、さらに緑が取り巻いていることで目隠しとなり、外からの視線が入り込みづらい場となります。1階部分は貸し駐車場として地域にスペースを提供し、周囲に植えた緑も街の景色として提供しています。

低層集合住宅が多い街における立ち方のひとつのプロトタイプとして、地上階は半公共的な場として地域にスペースを提供し、1層高い地盤上に個人の住宅を建てる方法をとっています。

詳細に拘る

空気感をシェアするために階段を浮かし、小さな空間をつくり出す。トップライトからの光を映し出す壁を木の壁とし、光による木目の変化を木と光と共に楽しむ。角をタイルとせずに優しい踏み心地にする。大胆な構成な時ほど詳細に拘る必要があります。