きんつぎと建築について
建築と不動産は切っても切れない関係にありながらも二つの領域は分断されがちです。きんつぎではんその分断されがちな二つの領域を掛け合わせながら一つのプロジェクトを進めていきます。
例えば集合住宅を建てる場合、不動産的視点のみですと土地の費用と容積率から土地の購入を決めることになるかもしれませんが、そこに建築の視点が入ってきますとそもそも容積率通りの建築を建てることが出来るのか?その場所にあった価値のある建築を作ることが出来るのか?などお金以外の視点でチェックを行います。集合住宅を建築する場合、キャッシュフロー的観点は見逃す事はできませんが、持続的にその建築を使い続けるためには何かしらの価値を付加させる必要があります。その点において建築的視点が加わる事は強みとなります。
上記は建築と不動産が掛け合わす事による強みとなります。では、きんつぎが作り出す建築とはどのような建築になるのか?というと、地域の特性を読み解いた上で、その地域に合う建築を作ることを得意としています。
地域特性を読み解く上で欠かせないことがリサーチです。リサーチというと様々な分析を行なっているようですが、実際は街を歩く尽くしています。机上で鳥の眼的な定量的な調査ももちろん行いますが、それ以上にその街の空気感をまずは肌で感じることを大切にしています。今まで海外の街へと足を運ぶ機会があればまさに1日中歩き続けてきました。この歩き続けることを繰り返していくと、その街らしさへの気づきが深まります。例えばある地域では道路に対して花が多く飾られていました。それは花の産地であることも関係していると思いますが、街全体として道路が細く車の行き来がしにくいため、人が道路に出やすく、街の人が道路でのコミュニケーションが活発であったためだと感じました。このように歩いてその街を感じないと理解できないような事からプロジェクトをスタートしていきます。
地域や自然環境に抗うことのない素直な建築を作る事を心がけておりますが、建築として何かしらの引っ掛かりも大切にしています。何に対する引っ掛かりなのかというと、人の心に対する引っ掛かりです。地域に馴染み、すっと地域の人の心に入り込む建築であることは前提ですが、見過ごしてしまったのだけど、戻ってまた見たくなるような「何か」を作り出したいと考えています。この引っ掛かりは地域課題に対する問いかけであったり、建築としての質の高さであったり、であり、固定されたことではありませんが、その建築の価値を高める事を大切にしております。