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Project

Architect

中渡瀬拡司

location

東京都杉並区高井戸西

structure

鉄筋コンクリート造

area

500㎡

街との連続感

敷地は東京都杉並区。京王井の頭線富士見ヶ丘駅の程近くに位置し、駅から続く商店街の通りを進み、一本路地に入った住宅街の中に敷地は位置します。

商店街の通りは富士見ヶ丘のメインストリートであるが、車がぎりぎりすれ違える程度の狭い道路に3層から5層の高い建物が立ち並んでいます。朝の時間はその狭い道路に人と車が入り乱れ、小さな街でありながら人の溢れる独特の喧騒をつくり出しています。住宅街に入ると商店街の喧騒からは離れ、2層の低い建物がひしめき合っています。

敷地はその異なるスケールの切り替わるあいだの場所にあります。小さな区画割の住戸が立ち並ぶ街だが、入り組んだ路地や建物への通路の空間など、そのあいだの小さな抜けの空間を多くみつけることの出来る街です。また、敷地の東側には神田川が流れ、周辺の住宅には道路に面して多くの緑が見え、街全体に多く緑を見ることの出来る環境でもあります。

敷地が商店街の3層から5層の大きなスケールと、住宅街の2層の小さなスケールのあいだに位置することから、2つのスケールを持つ街をつなぐかたちについて考えました。

3層の住戸のボリュームを3つに分けて建て、その間をテラスや階段室を持つ2層の媒介空間でつなぎあわせました。そうすることで商店街の高さを引き継ぐ3層と住宅街へとつながる2層の2つのスケールが混ざり合い、街全体にスケールの連続をつくり出すことができます。

さらに媒介空間の階段室やテラスを街の持つ住戸間の隙間や高さ方向の抜けに合わせて配置することで、2つの街の視線のつながりを残し、暮らしながら2つのスケールの街のあいだに居ることを感じとることの出来る場としました。

「富士見ヶ丘に住む人を考え、街のコミュニティと連続した場をつくること。」

富士見ヶ丘周辺には吉祥寺や西荻窪など独自のカルチャーを持つ街があります。その賑わいを持つ街の近くにありながら、落ち着いた住環境を持っていることが富士見ヶ丘の立地の特徴です。そのことから、暮らしにこだわりを持ち、さまざまな個性を持つ、さまざまな家族形態のひとが住まうことを望む街なのではないかと考えました。

住戸毎の個性

この建築では大きく3つの住まい手を想定しています。

ファミリー、カップル、単身。おおよそ住戸は40㎡程度ですが、住まいてのタイプによって少しずつ大きさが変わります。その上で住戸毎にペルソナを設定して、住戸の個性を作り出しています。