不動産担保について
前回は、プロジェクトを進める上で大切な“事業主の方の想い”について、お話ししました。
今回は、その“想い”を実現していくために必要な不動産融資について、詳しく掘り下げていきます。
事業用ローン(不動産投資)の場合、大きく分けて3つのポイントがあると以前お話ししました。
その一つ、不動産担保について見ていきます。
事業用ローンを申し込む際に、借入額に応じて担保の提供を求められることが一般的です。
不動産投資の場合は、計画地の土地や建物などの不動産担保を求めれることが多いですが、
土地の所有者が事業者と異なったり、担保評価が足りない場合には、
保証人などの人的担保や、定期預金担保などを求めれることもあります。
例えば、1億円で買った土地だからといって、担保評価が1億円とは限りませんし、
1億円までは借りられるというわけではありません。
もし返済が滞ったときに、金融機関は、担保を売却し貸付金を回収しなければいけません。
金融機関が土地を売却するときに、その土地が1億円で売れる保証はありませんし、将来、土地の価値が下がる可能性もあります。
金融機関によっても異なりますが、上記のそのようなリスクを考慮し、借入額は評価額の6割~8割ほどがひとつの目安でしょう。
(担保評価以外にも、属性や事業のキャッシュフローにもよりますので、一概には言えませんが)
また、融資期間は担保となる建物の構造や、築年数に大きく左右される傾向にあります。
このように土地を担保にする場合や建物を新築する場合は、比較的わかりやすいのですが、
新築が減少し、空き家が増える昨今、リノベーションなどの改修により、事業を行う場合もあります。
改修となると、新築とは少し話が変わります。
建物の担保評価は、財務省令の別表に定められた法定耐用年数に基づき、※1
法定耐用年数-築年数=融資期間となる場合が多く(金融機関により異なります)、
築古物件で事業を行う際は、融資期間が短く(もしくはなく)事業として成り立たないこともあります。
しかし、この法定耐用年数は、減価償却という税法上の考えを基につくられているため、実際の建物の耐久性とは異なります。
そうすると、建築的に見たらまだまだ使えるの建物なのに、ファイナンスが付かず活用できないといったことが起こります。
今後の空き家の利活用を考える際は、建築や不動産だけでなく、
金融機関や行政など協力してプロジェクトを進めていく必要があります。
きんつぎでは、建築と不動産だけでなく、プロジェクトを進めていく上で必要となる業界と連携し、
地域の豊かな暮らしが持続するための仕組みを創っていきます。
※1減価償却資産の耐用年数等に関する省令
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=340M50000040015
※写真はイメージです。写真と本コラムの内容は一切関係ありません。