空き家:古い木造住宅から用途変更
古い木造住宅を使用する際の課題として、
耐震性の問題と、住宅以外の用途に使用する際の法適合があります。
古い木造住宅は、現在の建築基準法に照らし合わせると、構造的に法適合しない場合が多くあります。
(法律上は、構造的に法適合してから使用してはいけないとはなりません。)
構造の課題は、以前お伝えしたことが挙げられます。
地震国である日本の場合、安全性の確保は何よりも求められることですので、大切にしたいポイントです。
木造住宅を、他の用途に変更する際(住宅を飲食店に変更など)、
一番やってはいけない間違いが、用途地域に適合しない用途を作ろうとすることです。
これは、後から設備を足したりする事で、解決出来ない根本的な間違いですので、
用途地域をチェックする事と、その用途地域で作る事の出来る用途を、最初にチェックする必要があります。
住宅から特殊建築物へ用途変更するには(特殊建築物:住宅、事務所以外のものはほぼ特殊建築物)
確認申請を提出して、法適合しているかどうかのチェックを受けなければなりませんが、
用途変更する床面積が200㎡以下の場合、確認申請を提出する必要がありません。
(類似の用途への変更の場合は200㎡を超えても確認申請は不要)
200㎡以下だと、法適合しなくても良いわけではありませんので、気をつけなければいけないポイントです。
余談ですが、法を守る必要はあるけど、チェックは受けない事例として、
昔はある規模以下の物は、構造計算書の添付が不要な時代もありました…
昔の鉄骨造で、小さな建物は怪しいかもしれませんので、ご注意ください。
また、用途変更に伴い、建築基準法だけではなく、消防法や他の法律のチェックも必要になるかもしれません。
上記のように住宅から他の用途に変更する際は、様々な法律に適合させる必要があります。
例えば排煙窓や誘導灯、消化器などの取り付けが必要になってくる場合がありますので、ご注意ください。
空き家の発生理由から、空き家の課題までコラムでお伝えしてきました。
空き家のご相談や改修に携わる中で感じたこととして、
空き家問題の解決をするためには、行政と市民が一体的になって取り組まないと、解決出来ないということです。
空き家を所有しているのは個人ですが、空き家で困っているのは、所有者とその周りに住む人たちです。
そのことにより、地域での課題となり、行政も解決する立場になっていくのですが、法(行政)だけでは解決出来ることは多くありません。
法・流通・資格・個人スキル、地域の関係性など、行政と市民が一体的に取り組む必要があります。
きんつぎでは、これらに対してアプローチして実践していきたいと考えております。